知っておきたいレーシック基本情報

過矯正とは

○「過矯正」とは

 最近は少なくなりましたが、レーシックを得意とするクリニックでは「視力1.x以上保障!」などという視力の目標数値を掲げる広告がありました。確かに視力不足に悩む人にとっては、視力1.2や1.5というのは憧れの数値です。
 しかし、一般に「視力○.○」というのは視力検査表などを用いて測定する、いわば「中間視力」です。もともと極度の近視の方などは、「近くのものはくっきり見えるが、ちょっと離れたところにあるものはボンヤリしてよく見えない」という状況だと思います。
これをレーシックによって矯正するわけですが、矯正が過ぎると、「視力表では十分な視力が得られているのに、近くのものが見えにくくなった」などという逆の悩みが発生します。これがいわゆる「過矯正」といわれる状態です。

○ 視力とライフスタイルの綿密な関係性

 スポーツ選手の場合などは、遠距離~中距離の視力が非常に大切になります。ですから一般的な意味での「視力」が高いほどレーシックは成功ということになるのですが、デスクワークやPC作業が生活の中心となっている人の場合は「やや近視気味」くらいのほうが生活に便利な場合が少なくありません。
 レーシックを受ける際にはこうした「自分のライフスタイル」と「適切な矯正度合い」の関係が非常に重要です。こうしたトラブルを回避するためには、レーシックに対する正しい知識、つまり「レーシックとは屈折異常の矯正法であって、遠くも近くも何でもよく見える魔法の手術ではない」ということをちゃんと理解しておくこと、そして医師のカウンセリングやインフォームドコンセントの際に、「自分はどの程度の見え方を望むのか」「自分のライフスタイルはどのようなもので、どの程度の矯正度合いが適正と思われるのか」といったことを医師としっかり話し合ってお互いに納得し、レーシックに臨むことが重要です。

○ 過矯正は再手術で解決します。

 度の強い眼鏡を長時間かけ続けていると、偏頭痛の原因になったり気分が悪くなったりします。レーシックの結果過矯正になってしまった場合はこれらの副作用も心配です。
 過矯正は再手術によって調整することができますので、医師と相談の上、「どの程度矯正度合いを緩めるか」について意思の疎通を図り、再手術に臨みましょう。まずは「現在の自分の眼の状態がどのようなものなのか、どんな不都合が生じているのか」をきちんと医師に説明することが第一です。